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好きな本や映画の感想を好きなようにきままに綴る

はてなブログでのGoogle Search Consoleの設定の仕方。アラサー女の職業相談。フリーランスになりたい。

 元々はカスタマー向け商材の営業マンだった私(アラサー/女)。

Web系は疎いのですが、そもそも営業だったのに本当はとってもインドア派で人見知り(営業になってから気付いた)の私に、とにかく人と常に一緒にいなくてもできる仕事を、と考えたときにWeb系で何かと、これしか思い浮かばなかった(環境的にも)。

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単にWeb系と一口で言っても、じゃあ具体的に、と言われると悩んでいます。

ということで、このブログは勉強と自分の方向性確立のために作成したので、備忘録的に残していこうと思います。

 

ちなみに商談や相手の要望を汲んで話をまとめるのは得意。

だけど会社勤めはしたくない。打合せ週2、ノマド作業週3くらいでフリーランスで働くのが将来の夢。

 

けれどイマドキのキラキラ起業女子的な感じになるのはキツい。もう少し地に足付けた感じがいい。

 

www.notitle-weblog.com

 

Webマーケティングにも興味があるので、勉強したことはできるだけ残していきたい。

とりあえず知識は活かすべきかと思うので、売っていた商材でブログ運営から始めるのが来年の目標。

食い扶持に困らない程度に(会社勤め以外で)一人で稼げるようになりたい。

 

 

阿部智里デビュー作「烏に単は似合わない」感想。渾身のファンタジー!

八咫烏シリーズの第一作、阿部智里さんのデビュー作として発表された「烏に単は似合わない」。

子供の頃から夢見がちなタイプではあったのですが、なにぶんリアリストな家族に囲まれて育ったので、実家から離れた今、ファンタジー好きが加速しています。

 数あるファンタジーの中でもライトノベルより本格的で、けれど世界観がとっつきやすいこの作品。 

 現在コミカライズもされていますね。

文庫が出たときに表紙に惹かれて購入したこの作品。

 現在はシリーズ7冊が刊行されています。

出版順に書くと以下の通り。

  1. 烏に単は似合わない
  2. 烏は主を選ばない
  3. 黄金の烏
  4. 空棺の烏
  5. 玉依姫
  6. 弥栄の烏(未文庫化)
  7. 外伝 烏百花(未文庫化) 

 私はすべて文庫で追っているので、5巻目まで読破済み。

 今回はその記念すべき1冊目「烏に単は似合わない」の感想を少々。

 

前筆の通り、表紙買いしたのです。この作品。

本屋さんのポップでもかなりプッシュされているし、見るからに平安物っぽいし、いわゆる東宮の皇后選び!絢爛豪華で読み応えありそう!と、安直に恋愛ものかと期待して。

 

読み始めて序章からすでにミスリードは始まっている。ところが私も大概ロマンチストのお花畑なので、このミスリードに気付かないまま物語に没入していく。

物語の冒頭、ふわふわな脳のお姫様が突然、朝廷に登殿せよと父親から命ぜられる二の姫。

 それまで登殿予定だった姉、一の姫の急病による代理だ。当然専用の教育など受けていない。

隠されるように田舎の離れで隔離され、世間知らずも甚だしい箱入りで育てられた二の姫は東の家の姫君。

この八咫烏シリーズでは四大貴族が東西南北の名を継いでいる。

東家の二の姫は初めて他の三家の姫君と触れ合い、自分の無知を知っていく。

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二の姫は無知でこそあれ、無知であることを恥じ入ることのできる賢い姫君であった。

華やかな宮廷舞台で繰り広げられる権謀術数、そしてまだ見ぬ若宮(=東宮)への恋心。

その他の三家の姫君の思惑とは別に、自分の知らないことをどうにかして調べようとしていく二の姫の姿はまさに少女漫画のヒロインさながらである。

ところがある時、事件が起きる。

とある女房が西家の姫君の着物を盗もうとしたのだ。

それを発端に、二人の死者を出すこととなる。

 

もうお分かりだと思うが、そう、この物語の題材はただの「東宮の皇后選び」でも「ただただ絢爛豪華で読み応えあり」でも「安直に恋愛もの」でもなかったのです。

結論、恋愛要素は100を最大として、15ポイントくらい。この15ポイントは物語の登場人物全員を含めて、である。

この物語は、言うなれば貴族四家の姫君たちによる代理戦争の物語。

 

さて、表紙から最初に想起したのは「無知なお姫様が健気に純真な恋心でもって若宮と恋を成就させる」という物語でした。

その想定がそもそもの間違いで、読み進めていくたびに二の姫の純真さに違和感を覚えていくし、一向に登場しない若宮に疑問を抱いていく。

この物語はどこに帰結するのだろうか?

なんと、その答えだけは、当初の想定通り「若宮の后選び」だった。

相手が想定と違うだけで。

 

この阿部智里さんが描くのは、ある種少女漫画の「主人公像」へのアンチテーゼなのではないかと思う。

「素直で無知で愛らしく、そして馬鹿ではない少女」はどんな作品でもヒロイン足りえる。

でも、少女自身がその「ヒロイン性」を理解しているとしたら?

その心理が緻密に描かれたとき、その少女はそれまでと違う顔を見せる。

 

この八咫烏シリーズは、つまりここからが始まりでした。

この「烏に単は似合わない」一冊を読んだだけでは物語は決して読了感の良いものではない、うすら寒さの残るものだった。

私がそう感じたのは、「正義」がぽっと出だから。

その「正義」とはここでは若宮のこととする。

外から観察して正しいことだけを淡々と残す若宮に「義」があるのを理解はしても感情が追い付かないのだ。

あまりに薄すぎる。

では、若宮の義を知るためには、続編を読むしかない。

そうして私はこの八咫烏シリーズにずぶずぶと嵌っていったのでした。

 

シリーズ5作目、「玉依姫」を読み終えてから再度「烏に単は似合わない」を読み返しましたが、物語の世界観は1作目で曖昧だったものがかなり線を結んでいて、改めて面白さにドキドキしました。

続編、ハードカバーの文庫化を心待ちにしております!

アラサー女性が人生で観ておくべきおすすめの映画10選

クリスマスの三連休、年末年始のお休みと、皆さま師走でお忙しいところでしょうか。

私はと言えば、今年は諸事情により実家の規制を取りやめ、自宅でお掃除などしながら過ごそうと思っています。

 

今日は、そんなゆっくり時間がある方向け!

おすすめ映画(特にアラサー女性には共感いただけるかと!)をご紹介します。

マイインターン

2015年に公開のロバート・デ・ニーロアン・ハサウェイ主演の映画。アン・ハサウェイと言えば「プラダを着た悪魔」が人気ですが、アラサー女性には私はこちらをおすすめします。

 

主人公・ジュールズ(アン・ハサウェイ)はファッションサイト運営会社のCEO。バリキャリでありながら結婚し、子供もいる彼女ははたから見たらパーフェクトウーマン。

ある日、ジュールズの会社にシニア・インターンとして70歳のベン(ロバート・デ・ニーロ)がやってきます。

ひょんなことからベンはジュールズの仕事面だけでなく、家庭面を垣間見ることになり、二人は年齢も性別も超えて友人関係を築きます。

 

とにかくベンがチャーミングで素敵なおじ様。70歳の魅力ここに極まれりといったところです。

こんな先達がそばにいたら力強いことこの上ない。

 

最高の人生の見つけ方

超大物俳優二人、ジャック・ニコルソンモーガン・フリーマンが共演した、死にかけのおじいちゃん二人が死ぬ前にやりたいことを叶えていく映画です。

偏屈爺さんをやらせたら右に出る者のいないジャック・ニコルソンはここでも偏屈をこじらせたお金持ち・エドワード役。

モーガン・フリーマンはクイズ好きでこれまでの人生を誠実に生きてきたカーターを演じます。

共通点のない人生を送ってきた二人はある日病室で出会います。

余命宣告をされた二人は、残り少ない人生ならやりたいことをやろうと病院を抜け出し、世界中を飛び回ります。

 

「余命宣告されたら残りの人生は何をするか?」という題材は重いのですが、二人ともおじいさんなだけあり、悲観的なシーンは少なめでユーモアたっぷりなところが何度もリピートしてしまう理由。

お互いのことを思いやるあまり、お互いに少しおせっかいをしながら二人はやりたいことをやっていく。

その過程を見て、様々感じることがあると思うが、私が思うのはこれだ。

普通に生きていれば必ず後悔はついて回るから、素直に生きていく努力をすることが重要だ、と。 

シェルブールの雨傘

カトリーヌ・ドヌーブはご存知でしょうか。

この「シェルブールの雨傘」の主演女優。ものすごく美人が過ぎる。それだけで観てほしい映画です。

今はすっかりおばあさんになってしまいましたが、ドヌーブは今度の是枝裕和監督の新作に出演が決定しています。まさかドヌーブが邦画に出てくれるなんて思ってもいなかったので、観たいと思います。

 

マイ・フェア・レディ

オードリ・ヘップバーンと言えば「ローマの休日」と並んで「マイ・フェア・レディ」も有名ですね。どっちも大好きですが、今回は「マイ・フェア・レディ」をおすすめ。

庶民の娘を上流階級の紳士がレディにする、といった一見するとシンデレラストーリーに見える作品ですが、実はスポ根に近い教育を施す内容です。

特に英語は訛りが顕著な言語。上流階級は流暢なクイーンズイングリッシュを操ることは前提ですが、ロンドン訛りはそう簡単に直るものではありません。

逆に、どんな人も言葉遣いやしぐさを綺麗にするだけで印象が変わるものです。

いつも誰かに見られている、と意識することは自分を律すること。素敵な女性になりたいものです。

 

イエスマン

ジム・キャリーに外れなしですよね(そんなにたくさんは観てませんが、そういう印象)。

ストーリーがポンポン進んであっという間に見終えてしまう作品。

日本語は山寺宏一さんが声を当てられていて、字幕で観るのもいいのですが吹替で観るのもおすすめです。

受け入れてみると人生が変わるかも?

 

きみに読む物語

この「きみに読む物語」は泣きたいときに観てください。

本当に泣けます。

ラ・ラ・ランド」のライアン・ゴズリングと「きみが僕を見つけた日」のレイチェル・マクアダムズ。

身分違いな恋に悩む二人の若い頃の恋を目いっぱい満喫するレイチェルの笑顔がもう魅力的。

情熱的で本能的な二人の恋はまさに珠玉のラブストーリー。

ラストで二人の愛の深さにぜひ号泣してください。

 

プライドと偏見

ジェーン・オースティン原作の「高慢と偏見」を映画化。

こちらもキーラ・ナイトレイが美しくてそれだけで観る価値のある映画です(ナイトレイファン)。

あと田園風景が好きな方にもおすすめ。

結婚する以外に女性が人生を切り開く術を持たない時代、馬鹿を演じて男に好かれるような女にはなりたくないし、馬鹿な女を好きな馬鹿な男もいや。

そんなプライドの高い女も男に傅いて結婚しなければイキオクレ認定。

正しい結婚、正しい相手とは?

女でも自分の力である程度生きていけるようになった現代とは違う価値観を、あなたはどう見ますか?

 

ホリデイ

仕事に疲れたバリキャリが恋人に浮気され、田舎でリフレッシュするお話。

と書くとぶっ飛んでますが、こういう休暇の過ごし方、そしてその休暇で人生観がほんの少し変わるの、本当にうらやましい~!

キャメロン・ディアスケイト・ウィンスレットなので画面映えは抜群ですし、演技も安定。

頭空っぽにしてぼーっと観る、そんな贅沢な時間にぴったりな映画です。

ノッティングヒルの恋人

ラブストーリーの決定版と言えばこれ。

ジュリア・ロバーツヒュー・グラントの「ノッティングヒルの恋人」。

さえない書店員とハリウッドスターの運命的な出会いと、バックに流れるエルビス・コステロの甘い歌声が大人な恋愛を予感させる。

文句なしのロマンティック作。

 

マンマ・ミーア!

元気になりたいときに観る映画ナンバーワン。

シングルマザー・ドナと娘・ソフィーが住むのはギリシャの小島。

「シングルマザー」と言っても二人に影は一切ない。とにかく幸せで明るくて、お金がなければ歌ってしまえ!となんでも歌にして踊ってしまう、ミュージカル映画

見ていて楽しいし、悲しい時も歌うし、一途で純粋に「I Have a Dream」と語るソフィーには好きなことをして夢を叶えてほしいと思う。

続編もぜひ一緒にご覧あれ。

 

 まとめ

いかがでしたか?

連休の一日・二日はどっぷり映画漬けになるのもいいかもしれませんね。

 

映画「はいからさんが通る」後編感想。少尉と紅緒の恋の結末。

大和和紀原作「はいからさんが通る」は1975年、講談社の「週刊少女フレンド」で連載されていました。(この頃は少女向けの週刊誌があったのですね)

前編を先日ネット配信で観て、ちょうど後編が上映されていたので映画館で鑑賞してきました。

https://eiga.k-img.com/images/buzz/65687/40f4683d6862bc33/320.jpg?1496043216

前編はUNEXT、dTV、dアニメストアひかりTVなどで公開されています。

 

私は原作未読、旧アニメはほぼ鑑賞済みの状態で、ずっと結末が気になっていました。

こちらは映画館で観た後編の感想になります。

 作画

残念ながら、全体的に雑な印象。
紅緒さんが木から落ちる前編との対比シーンで作画差があるとやはり気になる。
紅緒さんも環ちゃんもお顔が女学生時代より職業婦人になってからほんのり大人びて凛としていたように描かれていて、成長が伺えてとても良かった。
逆に言えばシーンシーンでもう少し可愛くても良かった・・・
他の方のレビューであるような、バストアップの止め絵が多用、というのは多少気になるところ(鬼島軍曹の冗談社登場シーン、、、笑)はあったけれど、許容範囲。
昔のアニメ風味なパステル調イラストでシーンの印象付け、という場面では少尉の横顔が美しくてもっと眺めたかったよね。
これは前後編通して言えるけれど何よりお衣裳が世相を反映させていて見ていて楽しかった。
日常のお洋服はもちろんのこと、婚礼衣裳は特に良いですね。
少尉のお葬式では白の喪服、結婚式はお武家様の家の娘らしく黒打掛。
編集長との結婚式でははいからさんらしくこの時代まだ珍しいウェディングドレス。
ドレスはくるみボタンの詰襟でクラシカル、、、もっと観たかった。
あと何かっていうと牛五郎イケメン。

演出

原作を映画用にカスタマイズしたため大体シリアスベースで進むストーリーに当時のアニメを彷彿とさせるギャグをぶっこむぶっこむ。
あのセンスは今の時代には通用しないので、どちからというと往年のファン向け演出かな、と理解。
元気でどんなときもハツラツとした紅緒さんが好きなので、ギャグシーンも微笑ましく見れた。はいからさんにはこれがないとね、という感じ。
関東大震災のシーンでは凌雲閣も描かれていて大正という時代を丁寧に表現されていた印象。

音楽

途中途中のBGMもやっぱり全体通して大正のイメージを忠実に再現していて、とりわけ少尉と紅緒のカフェでのシーンにかかるクラシックがこれまたノスタルジック。
挿入歌のゴンドラの唄はこの時代を描いた作品ならピンポイント。
大人と呼ばれる年齢になった紅緒と環が女学生の頃を思い出しながら、『いのち短し恋せよ少女』と歌う。
二人とも、もう恋はできないという境遇でこの挿入歌。せつない。
竹内まりやさんの曲はどんなときも女性への応援歌でとてもよいですすみません映像に夢中でさらりとしか聴けませんでした。。

ストーリー

駆け足ではあったけれど、紅緒さんの少尉への思い→編集長の紅緒を思って少尉の家を守る懐の深さへの感動→死ぬときに思い出す顔はやはり少尉だという告白、までの流れがとても分かりやすかった。
心は少尉にありつつも、少尉を拠り所にするラリサへの思い、自分のやりたいことを投げ打ってでも紅緒の思いを守りたい編集長の自己犠牲に見返りとして(と書くと少し語弊があるけれど)身を捧げる覚悟、そういう紅緒さんの気持ちは十分に伝わった。
反面、少尉の記憶の取り戻し方の性急さや編集長の略奪宣言(?)に対しての気持ちの収め方にもう少しイベントが欲しかった感はある。
もっともっと少尉の感情の発露が見たかったのは正直なところ。
あの横顔で全てを説明するには、少し、惜しかった、、、。
編集長がいい男だったのは、鬼島軍曹が「シベリアで俺たちがどんな思いをしてきたか」と詰め寄ったのに何も返さなかったところ。
それをちゃんと分かって紅緒が少尉を大切にするように編集長も少尉に敬意を払ったんだと思えば涙がちょちょぎれる。ていうか鬼島軍曹の台詞ですでに泣いてた。
それにしてもあの女学生時代の紅緒さんラスト。
どちらかといえば紅緒さんと少尉のカップルが好きなので二人で描いてほしかったけれど、この物語は紅緒さんの物語なので、仕方ない。笑

総括

気になるところはちょいちょいありつつも、はいからさんが通るファン、大正浪漫作品ファン、王道少女漫画好きであれば存分に楽しめる作品。
原作途中までアニメ化されていて、ラストまでは映像化されていない作品がたくさんある中で、こうしてラストまでリメイクして出してくれるなんてほんとうに素敵な試み。
主人公・紅緒さんの絶対的な強さ・明るさはどんなときも元気をくれる、前向きにしてくれる。
声優さんの配役もみんな違和感なく、特に宮野さんの金髪少尉役は安心安定でした。あと蘭丸はぴったり過ぎ。笑
ハッピーエンド好きとしては観ていてとても爽やかな気持ちになれる作品でした。
 
 
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「ナラタージュ」作者・島本理生デビュー作「シルエット」感想。十六歳の非現実的な恋愛をたどる。

島本理生と言えば、先日松本潤有村架純で映画化された「ナラタージュ」の作者。「ナラタージュ」は中学生の頃に読んだ本だったのですが、実家に置いてきており読み返すことはなく・・・内容もすっかり消えてしまっていました。

そのうちに読み返せれば。

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さて、今回はその島本理生さんのデビュー作「シルエット」を含む短編集。

この「シルエット」を書いた頃、島本理生さんは15歳。登場人物は16歳なので、自分より年上の登場人物を描くことへの抵抗を考えてしまう自分には素直にすごいな、と感心してしまいました。

(今はもうそんな抵抗はなくなりましたが)

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「シルエット」はとにかく透明感のある文体の作品。

文章の端々に消えてしまいそうな男の子への憧れが透けて見える女の子は、自身の世俗的な感性を嫌悪しているのにそこが居場所であると理解している。

登場人物は主人公の「わたし」と、「わたし」が忘れられない元カレ「冠(かん)くん」、今付き合っている大学生の「せっちゃん」を中心に展開していく。

 

冠くんは優等生の文学少年。彼は女性に触れられないと言う。

儚さピカ一な冠くんを

わたしは彼を霧雨のような人だと思った。

と回想する。

 

せっちゃんはボン・ジョビが好きで、「わたし」のことを「あなた」と呼ぶ男の子だ。

せっちゃんのセックスはおそろしく丁寧で、終わるころにはいつも彼の愛情の海に侵されて起き上がることすら困難なわたしがいる。彼は女の足の指の、爪一つ一つまでも宝石か何かのように扱って自分で磨き上げなければ気がすまないらしく、普段の彼からは想像もつかないほどの慎重さと緻密な作業でわたしの体内に快感を積み上げていく。 

 とあるように、冠くんと違い、触れ合いを重視する。

 

どんなに泣いていても抱きしめて慰めてくれない冠くんに募る苛立ち。

好きだからこそ、触れ合いたいと願う年頃の女の子の感情を受け止められない冠くんだからこそ、透明で冷たい印象を残す。

愛情深く深い器の持ち主であるせっちゃんは拒絶されることに疲れた「わたし」の心を満たしていく。

けれど、「憧れ」で縛られた「わたし」の心は冠くんから離れられない。

 

離れられない、という思い込みが十六歳らしくて痛々しい。

思春期の恋愛は深い爪痕を残すことがあって、そんな恋愛を思い出すとき、そこには感傷と自分の過ちが必ず自分を苦しめる。

大人になっても。

 

 

 

 

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