「金色のコルダ大学生編」第1巻感想★月森と日野のヴァイオリンロマンスの行方は？

ずっと夢を見ていました。

「金色のコルダ」が完結したあの時から、彼らの未来を。

あれから7年。

まさか、本当にその夢が実現するとは思いもしませんでした。

その当時、高校生だった私をネオロマンス沼に落とした「金色のコルダ」の、続（大学生）編！

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アラサー女子（アラサー女を「女子」と形容するのは正直抵抗があるのですが、ここではあえてそう言わせていただく）は青春を「ネオロマンス」と過ごしてきた方も多いのではないでしょうか。

ネオロマンスとは、ゲーム会社コーエー様が女性向けに作られたゲーム群の呼称である。

この「金色のコルダ」はネオロマンスの3作品目に当たる。

まだ男性向けのいわゆる「ギャルゲー」が増えてきても女性向けの作品が少ない時代、ネオロマ1作目の「アンジェリーク」シリーズは草分け的な存在となった。

「アンジェリーク」のヒットを受けてネオロマ2作目として発表されたのは、これまた女性向けゲーム業界で大旋風を巻き起こした作品「遙かなる時空の中で」。

語り出すと長くなるので今回は割愛するが、とにかく、とにかくいい作品である。

そして、ファンタジー作品を2作続けたコーエー様が2003年に3作目として世に打ち出したのがこの「金色のコルダ」。

現代日本が舞台となるのは初めての試みだった（が、ファンタジー要素も残された）。

ゲームではヒロインが魔法のヴァイオリンを用いて学内で開催されるコンクールに参加し、同じ参加者である男子たち（や、卒業生や先生）を恋愛好感度・ライバル好感度の2点から交流を深めていく内容になっており、同年からキャラクター原案の呉由姫先生によるコミカライズとして連載も始まった。

コミカライズではゲームのように複数人の男の子たちを同時攻略（つまり、最大7股・・・後に対象キャラは増加の一途を辿るが、初期では７名のため）はできないため、メインヒーローと位置付けられた高校生ヴァイオリニスト・月森蓮くんに狙いを定めた（語弊がある）ヒロイン・香穂子が彼とヴァイオリンを通じて交流を深め、足掛け7年（リアル時間軸）かけて思いを確かめ合う、というシナリオで終了していた。

「金色のコルダ」という作品は、ゲーム・コミカライズどちらもヒロインはじめ登場人物それぞれがストイックに音楽へ向き合ってしまうため、しばしば恋愛面を楽しみにしている読者には物足りなさを感じさせる。

特にゲームはヒロインに必死に練習させると誰とも恋愛ができないままコンクールでとにかく優勝して終わってしまう、パラメータ調整が鬼畜なことでもファンの間では有名だった。

かく言う私もPS2で何度コントローラを投げたことか。

でもそうして音楽に真剣に向き合って恋愛そっちのけになる彼らが、ふとした瞬間にヒロインのことを思うシーンが、最高にときめくのである。

コミックスではその「ふとした」瞬間がとても丁寧に描かれていて、何度も読み返してはイマドキ小学生でももっと進んでるわ！とツッコみたくなる恋愛模様に身悶えするのだった。

前置きが長くなりましたが、さあ、そんなじれったい高校生だった彼らが、なんと「大学生編」では文字通り大学生になりました。

物語は無印コミックスラストで思いを通わせた月森と香穂子二人を、コンクール参加者やその他追加キャラたちがかき回していく？！

高校生編（と無印コミックスのことを便宜上呼ばせていただく）でバシバシ香穂子に向けて矢印を飛ばしていた攻略対象男子たちが、二人の恋路を邪魔？あわよくば香穂子奪還？！という美味しい展開が予想される大学生編1巻となっておりました。

明確にその気を最初に見せたのは意外にも、香穂子の一つ上の先輩・柚木。

柚木に好意を見せられて意識する香穂子に気付き、香穂子の心が動いていることに不安を感じる土浦。土浦くんは高校生編ですでに香穂子に玉砕済み。

月森と香穂子は、お互いの好意がお互いに向いていることだけを確かめて、高校時代から遠距離（月森はウィーンに音楽留学中）なため、「付き合ってはいない」。

それでも変わらず、二人はお互いを思っている、が。

十代なら、まだそういう純粋な恋愛で霞を食べながら（）生きていけるかもしれませんが、本作で彼らは二十歳になるんです。

ハタチですよ。いつまでそんな「出会ったときからずっと月森くんの音に恋してる」で済ましているのですか、香穂子さん。

そろそろ、遠距離で甘えたいときにそばにいられない人には見切りをつけるか、遠距離でももう少し自己主張してちゃんと捕まえていてくれと言うか、何かアクションしてくれないと！（ちなみに私の推しメンは月森です）（きっと月森を動かすのはとっても大変だと思うので、もう土浦くんでもいいかな、って思い始めた）（負けないで香穂子さん）

じれったさに悶えながら、次巻、2019年春の刊行を心待ちにしています。

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